★50年愛され続けるうまいそばが名物「大名そば」
2021/01/16
大名そば
Lunch time 11:00~14:00
船場の銘店FILE
時を超えて愛される銘店を紹介する「船場の銘店FILE」
商売の町ならではの人情味あふれる話がそこかしこに。
vol.3 大名そば
船場センタービルと歩んだ50 年
名物はダシが自慢の “うまいそば”
卵の黄身、天カスが入った甘辛いダシに、そばを浸して味わう、うまいそば¥850(写真は大¥950)。
濃厚なダシが不思議と太めのそばを引き立てる。おにぎりorライス付きのセットは¥900
1970年創業のそば処今も社長が毎朝そばを打つ
「ジョイ船場」(船場センタービル1~3号館の飲食店街のこと)のランチグランプリ受賞、数々のメディアでも紹介される“うまいそば”。
「親父と店を出す直前まで『大名そば』にしようか迷ってん」と教えてくれたのは、社長の西村圭三さん。
78歳を迎えた今でも、毎朝自らそばを打ち、ダシを取る。店の歴史を紐解いていくと、うまいそばの人気の理由が見えてくる。
「大名そば」の創業は船場センタービルの開業と同じく1970(昭和45)年。実家の出前だけのそば屋が移転するような形でオープンした。
「実家では薪で釜を茹でてたんやけど、ここではそんなんできへん。けど、釜にはこだわってるで」と見せてくれたのが、ゆうに直径1mはある大きなそば釜。
1年に1回補修はするが、釜自体は創業当時と同じものだ。
「釜の中でそばをしっかり泳がせて芯まで火を通すねん。そのあとすぐに氷で締めることで、強いコシとモチっとした食感になるねん」
長く店を続けるには自分の味を作るのが大事
うどんや定食、丼とメニューは豊富だが、店に訪れる9割9分の客が頼むのが名物のうまいそば。
創業からの看板メニューは、イリコとカツオ節から丁寧にとる濃いめのダシにそばをくぐらせる、当時は珍しいつけ麺スタイル。
「そばはもちろん、ダシも天カスも手作りして自分の味を出すのが大事。
長く続いている店は、みんな工夫してる」 創業当時は店舗の空きが目立った船場センタービルを盛り上げるべく、一時は4店を経営していた。
現在は息子さんに任せている同じフロア内の「大名酒造」との2店になってしまったが、そちらでも大名そばを味わうことができる。
新型コロナウイルスの影響で客足は減ったというが、西村さんは「大丈夫やろ」と事無げに笑う。
「そばも夏は切れやすかったり、毎日同じようにはできへん。先のことは誰もわからんか懸命やるだけ」
約50年、船場センタービルの変遷を見守ってきた西村さんの打つ“うまいそば”は、これからも変わらない。
大工さんに作ってもらったという店内は、昭和の雰囲気が漂う。足を伸ばしてくつろげる座敷席もある
「梁とかに釘を1 本も使ってないから隙間がないねん。
修理をする必要がないから店内は創業当時のまま。テーブルや椅子も変えたことないねん。
いろんな思い出が詰まってるわ」と社長の西村さん
豊富な肴と酒を気軽に楽しめる「大名酒造」。
うまいそばなどのオーダーもOK(14:00 ~ 17:00 除く)
「大名酒造」の名物・ワンコインランチ¥500 は親子丼にそばor うどんがセットと、コスパ抜群!
大阪市中央区船場中央1-3-2 船場センタービル2 号館B2
TEL 06-6261-4455
時間/11:00~14:00※17:00~21:00は大名酒造でオーダー可能
休み/日曜、祝日
席/約70席
電子マネー/不可